久々に
女子サッカーのことを書こうと思います
ヨーロッパの女子サッカーが「プロ化」して盛り上がりを見せていまして、日本もアマチュアのままだと世界から置いて行かれるということで、
プロサッカー「WEリーグ」が誕生しました
ヨーロッパに倣(なら)って
秋春開催、今年の9月からスタートということになりました
男子のJリーグは春秋開催、会社や学校の年度に合わせていますので、WEリーグが
秋始まりというのはけっこうなチャレンジです。リーグの規模が小さいから実験に使って様子を見ようということでしょうか
メリットは海外との移籍がしやすくなり、ワールドカップの日程にも合わせやすい(?)、デメリットは雪の多い北国のチームの日程調整が難しいことですね
昨年の10月15日に事前に募集していた中から参入クラブを発表しました
マイナビ仙台レディース
三菱重工浦和レッズレディース
大宮アルディージャVENTUS(なでしこ2部・FC十文字VENTUSを母体)
ちふれASエルフェン埼玉
ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
日テレ・東京ヴェルディベレーザ
ノジマステラ神奈川相模原
AC長野パルセイロ・レディース
アルビレックス新潟レディース
INAC神戸レオネッサ
サンフレッチェ広島レジーナ以上11チームです
WEリーグには
参入条件というのがありまして、
プロA契約選手5名以上およびプロB・C契約選手[最低年俸270万円(消費税別)]10名以上と契約を締結すること
監督はJFA・S級(またはS級相当)、JFA・A-Proの指導者資格を有する者リーグ側が求める
ホームスタジアムの要件は5000人以上の収容人数、明るさが1500ルクス以上の照明設備、大型映像装置の設置監督にS級ライセンスを求めたこと、スタジアムの基準を設定したことで、かなりハードルが上がりました
伊賀くノ一はこれを満たせず、残念ながら落選となってしまいました。
11チームと変則で埼玉から3チームという偏(かたよ)りがあり、歴史のあるチームの伊賀くノ一を落選させ、新参で形も全くないサンフレッチェ広島、大宮アルディージャを加入させました。この2チームはJリーグでの実績があり資金力もあるのですが、
チーム数が偶数でない分、試合がないチームが出てくるし、
埼玉に3つというのはあまりにもいびつという印象です埼玉は他に浦和レッズレディースとちふれASエルフェン埼玉(私のひいきチーム)が参入しました。
実をいうと大宮はかつてエルフェンと業務提携を結んでいて、大宮の女子チームにしようと(?)スタッフや監督を送り込んでいた時期がありました。でも結局うまく行かなかったと記憶しています
つまり因縁がある2チームがそれぞれ参入する立場を主張し、
どちらも条件を満たしていたため落とすわけにも行かずこうなったらしいです
大宮はお金持ちのNTT(自前の迎賓館を持つという、今話題のNTT)が母体、総監督がワールドカップ優勝監督の佐々木則夫氏ということで絶大な力があったというわけです。
毎年、皇后杯のある12月ごろから選手の移籍の話が出てくるのですが、今回は凄すぎて毎日驚きの連続でした。こんなにダイナミックに人が動くことはなかなかないので
注:バニーズ京都はスポンサー獲得が苦しく、群馬へ移管。十文字は大宮の母体となってチーム解消。アンジュビオレ広島は継続。セレッソ大阪堺はプロ化せず、
有能な選手の草刈り場になりました
印象としては、今まで実質的なプロチームはINAC神戸だけだったので、他もプロ化して選択肢が増えたことから
INACの選手の流出が目立ちました浦和レッズは優勝したばかりなので流出は少なめで現状維持、日テレベレーザは資金力がもうひとつでこちらも流出する選手が多かった
宝田(セレッソ→Washington Spirit[アメリカ])・林(セレッソ→AIK Fotboll[スウェーデン])岩渕(INAC→Aston Villa[イングランド])長谷川(日テレ→AC MILLAN[イタリア])等、
海外移籍もありました。これはいいことだと思います
村岡(オルカ)西村(日テレ)薊(ちふれ)千野(ジェフ)の
引退、これはショックでした。薊はベテランだからご苦労さまとして、村岡は若いし日本代表クラス。いまだに残念としか言いようがなく
増矢(INAC→広島)・八坂(INAC→長野)・仲田・鮫島・スタンボー(INAC→大宮)成宮(ジェフ→INAC)川島(ノジマ→広島)木崎(ちふれ→広島)・長野(ちふれ→仙台)宮澤(日テレ→仙台)・山下・阪口・有吉(日テレ→大宮)北村(セレッソ→日テレ)
この辺が代表的大型移籍か。毎日ニュースを見るたびビックリしていました。もっと細かいところで興味深い移籍もたくさんありました。顔ぶれを見るとベテランや、レギュラーで出てなかった選手、戦術になじんでなかった選手など、移籍したのもやむを得ない人が多いですね。バリバリのレギュラーがお金で動いた(プロなので当然ですが)というのは1年目なので思ったほどはなかった感じ
これに大学、高校、ユースから来た新人、今後は外国人の加入も考えられます
大宮と広島はゼロからのスタートなので人をかき集めに来るのはわかっていましたが、仙台もいいスポンサーが付いてけっこう頑張って採った印象です
各チームの戦力格差はだいぶ解消されて、浦和、日テレ、INACは変わらず強いでしょうけど、仙台、大宮、広島も面白い存在だと思います。長野、ノジマ、新潟、千葉、ちふれは補強という面ではやや手薄かも。監督のやり方次第でしょうか
しばらくは降格もないので、現状の11チームにいくつか加わって行く形でしょう。20チームくらいになったら1分2部に分けるのか、なでしこ1部を下部リーグとしてくっ付けるかわかりません
個人的にプロ化は楽しみではあったのですが、先に述べたとおり埼玉に3チーム、地方の大都市にチームがないなどだいぶ偏(かたよ)りがあること、参入基準に少し無理を感じること、コロナ禍での観客動員など不安を抱えながらの船出であること、選手へ情報がちゃんと伝わっていない部分があることなど、
懸念材料もあって少し心配です。すぐ潰れると極論を言っている人もいますが、潰しちゃダメですよね
個人的には
女子が選ぶスポーツの第1選択肢になって欲しいです。学校の授業などでも採り入れて。もちろんいろいろなスポーツをやって、適性を決めたらいいと思いますけど。報酬も、テニスやゴルフ並みになるといいですね
ちふれが本拠地を熊谷に移転したので、うちから遠くなってしまいました。でもなるべく観に行こうとは思います。大宮と浦和は自転車で行けるので、女子サッカーファンとしてはいい環境に住んでいるんだと考えることにします